コラム
2026.05.15
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2026.05.15
「かわいい孫に財産を残したい」
「子どもの代だけでなく孫の代まで見据えた相続対策をしたい」
とお考えの方へ。
孫は法定相続人ではないため、原則として遺産を直接相続することはできません。
しかし、適切な方法を取ることで、孫へ財産を引き継ぐことは可能です。
本記事では、孫への主な相続方法、課税される相続税のルール (2割加算など)、そして税負担を抑えるための生前贈与の対策方法を詳しく解説します。
目次
原則として、孫は法定相続人ではありません。
民法で定められている法定相続人は、故人(被相続人)の配偶者、および血族(子、直系尊属、兄弟姉妹)です。
孫は、法定相続人である「子」がいる場合、その「子」よりも下の世代にあたるため、原則として遺産を直接相続する権利(相続権)はありません。
しかし、以下のいずれかの方法を用いることで、孫に財産を引き継ぐことができます。
法定相続人ではない孫に財産を引き継がせる主な方法は、以下の5つです。
被相続人が「財産を孫に渡す」という内容の遺言書を作成することで、孫に財産を承継させることができます。
これを遺贈(いぞう)と言います。遺贈は、法定相続人以外にも財産を渡したい場合に最も一般的で確実な方法です。
• ポイント: 孫へ確実に財産を渡せる一方で、孫が未成年者の場合は手続きが煩雑になる、遺留分を侵害しないよう配慮が必要になるなどの注意点があります。
被相続人が孫と養子縁組を結ぶことで 孫を法定相続人にすることができます。
養子は実子と同じ立場で相続権を得ることになります。
■ ポイント: 相続税法上、法定相続人の数に含められる養子の数には制限があるため注意が必要です。
(実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで)
孫の親(被相続人の子)が、被相続人より先に亡くなっている場合や、相続欠格・排除によって相続権を失っている場合、孫が親の代わりに相続人となることができます。
これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。
代襲相続の場合、孫は法定相続人となり、通常の相続と同様の扱いを受けます。
■ポイント: これは被相続人の意思に関わらず、法定の要件を満たしたときにのみ適用される方法です。
生命保険の死亡保険金は、受取人固有の財産とされ、原則として遺産分割の対象外です。
保険金の受取人を孫に指定することで、確実に財産を渡せます。
■注意点:孫が受け取る死亡保険金は、法定相続人にかかる非課税枠(500万円×法定相続人の数)の対象外となるため、全額がみなし相続財産として課税対象になります。
生前に「誰に・どのように財産を管理・承継させるか」を契約で定める家族信託を活用することで、孫に財産を遺すことができます。
例えば、子を受託者(財産の管理者)とし、孫を受益者(利益を受ける人)に設定することで、柔軟に財産の承継をコントロールすることが可能です。
■ポイント: 将来の承継先まで見据えて財産の流れを設計できる点が大きなメリットです。
一方で、契約書の作成には高度な専門知識が必要となり、初期費用がかかる点に注意が必要です。
孫が財産を承継した場合、原則として相続税が課税されますが、その方法によって相続税の計算方法が異なります。
孫が遺言による遺贈や養子縁組により財産を取得した場合、原則として納付すべき相続税額が2割加算されます。
これは、孫への相続は「本来相続人である子世代を飛ばして(世代を飛び越して)財産を承継させる」と見なされ、結果的に課税を一代分回避したことになるため、公平性を保つために設けられたルールです。
承継方法 法定相続人になるか 相続税の2割加算
遺言(遺贈) ならない 加算される
養子縁組 なる(法定相続人) 加算される
代襲相続 なる(法定相続人) 加算されない
2割加算の計算は、相続人が負担する本来の相続税額に対して行われます。
納付税額=本来の相続税額×1.2
■例:本来の相続税額が100万円の場合、100万円×1.2=120 万円となり、20万円が加算されます。
代襲相続によって孫が財産を承継する場合は、相続税の2割加算は適用されません。
この場合、孫は「本来の相続人」として扱われるため、通常の法定相続と同じ計算方法で相続税が課税されます。
また、代襲相続の場合は、孫は法定相続人となるため、相続税の計算における基礎控除額の計算にも含まれます。
■基礎控除額 = 3,000万円+(600万円)×法定相続人の数。
世代を飛び越して孫に財産を移す生前贈与は、相続対策として非常に有効です。
特に、国が定めている特例制度を活用することで、大きな非課税枠を利用できます。
年間110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与 (れきねんぞうよ) の基礎控除を活用することです。
孫は通常、法定相続人ではないため、原則として「生前贈与加算」の対象になりません。
毎年コツコツと贈与を繰り返すことで、将来の相続財産を減らすことができます。
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置を活用すると、孫一人あたり最大1,000万円までを非課税で贈与できます。使途が結婚や子育てにかかる資金に限定されます。
住宅取得等資金の贈与税の非課税特例を活用すると、一定の要件を満たすことで、孫がマイホームを購入するための資金を最大1,000万円(省エネ等住宅の場合)まで非課税で贈与できます。
相続対策を成功させるためには、デメリットやリスクについても十分に理解しておく必要があります。
前述の通り、遺贈や養子縁組により孫が相続人となった場合、相続税が2割加算されます。
対策の際には、この加算額と、生前贈与による節税効果を比較検討することが重要です。
法定相続人ではない孫に遺言で遺贈する場合、他の法定相続人(子など)の遺留分を侵害してしまうと、トラブルに発展する可能性があります。相続人の感情面にも配慮した遺言書作成が必要です。
孫が未成年者の場合、遺産分割協議などの手続きに特別代理人の選任が必要になるなど、煩雑な手続きが発生します。
孫への相続は、相続税の2割加算や、各種特例制度の適用可否など、通常の相続よりも複雑な専門知識が求められます。
特に生前贈与を組み合わせた対策は、税制改正なども踏まえた綿密なシミュレーションが不可欠です。
1. 相続専門のプロフェッショナル集団: 複雑なケースや、代襲相続、養子縁組を伴う相続など、あらゆる相続に対応できる経験豊富な税理士が在籍しています。
2. 節税効果を最大化するご提案: お客様の財産状況やご家族の思いを丁寧にヒアリングし、孫への生前贈与特例や適切な遺言書の作成など、総合的な観点から最適な対策をご提案します。
3. 万全のアフターフォロー体制: 相続税申告後の税務調査への対応も含め、申告完了後もお客様を徹底的にサポートします。孫の世代まで見据えた円満な相続と最大の節税を実現するためには、早期の準備と専門家への相談が何よりも重要です。
孫への相続対策、複雑な相続税申告でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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